にせねこメモ

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あにつく2017「デジタル作画導入スタジオが語る これで解った! デジタル作画のはじめかた」まとめ

あにつく2017での「デジタル作画導入スタジオが語る これで解った! デジタル作画のはじめかた」についてまとめておく。

登壇者、講演の概要については次のページを参照。

www.too.com

3社の使用しているデジタル作画ソフトについてまとめる。

グラフィニカ

使用ソフト

  • Clip Studio
    • レイアウト、1原
  • Stylos
    • 2原、動仕

Clip Studio

  • 書き味がよい
  • 前から使っていたStylosに加えて最近導入し試してる段階
  • 2原をClip Studioでやろうとしたこともあるが、補正の関係で描ける線がトレス向きでなく、補正がないStylosの方がなぞるのはやりやすい
  • パース定規機能……レイアウト向き
  • ペンの種類が多い、描画にタイムラグがない
  • 紙に近い
  • 自分でブラシを作れる。「見ました」みたいなブラシをつくってスタンプを押すみたいなことも
  • Clip Studio→Stylosのデータの移行はPNGを介して
    • PNG出力は制作さんがやっている
    • 人によって描き方(データの作り方)が異なるのでどうしても手でやる必要があるらしい

タイムシートについて

  • (紙で運用しているという話だったと思う)
  • (Stylosから?出力しても)AEにタイムシートを読み込ませることができない
  • 撮影会社に出すときに、紙でないと対応できない場合がある

オーエルエム

使用ソフト

  • Toon Boom Harmony

Toon Boom Harmony

  • カナダ産
  • 使う理由: 海外(特に北米)と仕事をするため(使ってるソフトが違うと共同作業が難しい)
    • 海外はペーパーレス
  • エディションが2種類ある
    • Harmony Advanced: 動仕のみ。15万
    • Harmony Premium: コンポジットもできる。30万
  • AEで撮影するためには線の2値化が必要(ベクタ画像からTGAで出力しないといけない)
  • ポケモンでは1600x900の撮影フレームを使っているが、その解像度で2値出力すると思ったところにドットが出ない
    • 現状ペイントソフトで修正している
    • 高解像度で出力しリサイズすると高品質に出力できそう
    • もともとHarmonyだけで完結させる設計になっているので、2値出力してAEでコンポジットする様な変態的な使い方は考慮されていない
  • 版権ものの抱き枕などでは一辺が一万ピクセル以上になることもあるが、ベクタデータなのでそこまでのマシンパワーは必要ない
    • 4K, 8Kなどの時代になったら紙では難しい

タイムシートについて

  • タイムシートは紙として存在し、それを見ながらデジタル作画している
  • 細かい指示がエクスポートできないため

サンジゲン

使用ソフト

  • TVPaint Animation

TVPaint Animation

  • フランス産
  • ヨーロッパのアートアニメーション向けにつくられた
  • 「ペグホールスタビライズ」機能が強力……タップ穴を合わせて自動で位置補正してくれる
  • アニメーションブラシ、カスタムブラシなどの機能
    • 設定できるパラメータが多く、様々なブラシが作成できる
  • スクリプト機能……George Scriptという化石みたいな言語
  • 欠点: 解像度(dpi情報)の保持ができない(AEと同様)
  • AEに持っていくには2値線にしないといけないが、原画以降は最初から2値(アンチエイリアスなし)で描くことで解決

タイムシートについて